MT4/MT5でトレンドラインを引く方法とトレンドライン取引戦略

トレンドライン
トレンドライン


トレンドラインを正しく使うことで、FX取引の精度を大きく向上させることができます。

トレンドラインとは、チャートの価格の高値同士または安値同士を結ぶことで、相場の方向性や反発ポイントを視覚的に判断できる線です。

MT4やMT5では、このトレンドラインを簡単に描画・編集でき、トレンドの強さや転換点の分析に役立ちます。

この記事では、MT4/MT5を使った正確なトレンドラインの引き方から、押し目買いや戻り売りの具体的なエントリーポイント、さらにはトレンド転換時の戦略までを、画像付きで丁寧に解説しています。

トレンドの流れに乗ったトレードを行いたい方、ライン分析に自信のない方にとって、即戦力となる内容です。

この記事の要約
  • MT4/MT5でトレンドラインを正しく引く技術が身につきます。
  • トレンドラインを活用した押し目買いや戻り売り戦略を学べます。
  • 初心者から中級者まで、PC・スマホ両方での使い方を紹介しています。
  • 画像と例を用いた丁寧なステップ解説で実践しやすい構成です。

この記事を読むことで、FXのテクニカル分析で重要なトレンドラインを自在に活用し、相場の流れに乗った取引ができるようになります。

編集部スタッフ

トレンドラインって引き方が合っているか不安になるんですよね…。

監修者 佐山(FP)

引き方の基本も教えるので、今回から自信を持って使えるようになりますよ。

当サイトでは、海外FX歴15年以上の経験を持つ編集部が、実際の取引体験に基づき内容を執筆しています。ただし、会話には初心者の見習いライターが含まれています。
また、記事内容は、FX歴15年・株式取引歴20年以上の投資経験を有する「2級ファイナンシャル・プランニング技能士/証券外務員二種」の資格保持者である佐山翔太が監修し、読者にとってわかりやすい内容を心がけて構成しています。
※詳しくは「編集方針」に記載しています。当サイトは情報提供を目的としており、個別の投資助言・勧誘・仲介業務は行っておりません。

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目次

トレンドラインとは?基本と役割

FX取引において、「今の相場が上昇傾向なのか、それとも下落に転じる兆しがあるのか」を見極めることは非常に重要です。

そこで役立つのが**トレンドライン(Trend Line)**です。トレンドラインの基本的な定義や仕組み、そしてそれがどのように売買判断に役立つのかを分かりやすく解説します。

トレンドラインの定義と仕組み

トレンドラインとは、チャート上の高値同士または安値同士を直線で結んで描くラインのことです。

この線は、相場の傾向(トレンド)を視覚的に捉えるためのツールであり、上昇トレンド・下降トレンド・レンジ(横ばい)などの方向性を明確にします。

たとえば:

  • 上昇トレンドでは、安値同士を結んで右肩上がりのラインを引く
  • 下降トレンドでは、高値同士を結んで右肩下がりのラインを引く
上昇トレンドラインを引いた例
上昇トレンドラインを引いた例

このようにトレンドラインを描くことで、「相場の軸」をチャート上に可視化することができます。

なぜトレンドラインがFX取引で重要なのか

トレンドラインは、相場参加者の心理を映し出す「視覚的なサポートライン・レジスタンスライン」として機能します。

以下のような理由で、多くのトレーダーに重宝されています:

  • トレンドの継続・終了を予測できる
    • ラインが機能している間は、トレンドが続いていると判断できます。
  • 反発ポイントを明確にできる
    • 価格がラインに近づいたときに反発する傾向があるため、押し目買いや戻り売りの判断材料になります。
  • トレンドの転換サインを読み取れる
    • ラインを明確にブレイクした場合、トレンド転換の初期サインと捉えることが可能です。

トレンドラインを使った売買判断の基本

編集部スタッフ

トレンドラインを使ってどんな売買を判断するのですか?

監修者 佐山(FP)

相場の方向や転換点が視覚的にわかるので、押し目買いや戻り売り、トレンドに沿って売買というような判断ができますよ。

トレンドラインを引くことで、以下のような実践的なトレード判断が可能になります。

シチュエーション売買判断のポイント
上昇トレンド中ライン付近で押し目買いのチャンス
下降トレンド中ラインに戻ったタイミングで戻り売りが狙える
トレンドラインをブレイクトレンド転換の可能性あり。慎重なエントリー判断が必要

例えば、ドル円のチャートで上昇トレンドラインが引かれており、価格がそのラインに近づいてきた場合、再度反発すると見て買いエントリーするトレーダーも多いです。

一方で、ラインを明確に割り込んだ場合は、「トレンドが終わった」と見て様子を見る、または売りエントリーに切り替えることもあります。

MT4/MT5でトレンドラインを引く方法

パソコン版MT4/MT5でトレンドラインを表示する手順

手順
/(斜線)アイコンをクリック

トレンドラインを表示したいチャートを選択した状態にし、画面上の「/(斜線)アイコン」をクリックします。

MT4の「/(斜線)」アイコン
MT4の「/(斜線)」アイコン
手順
マウスの左クリックを押しながらラインを引く

チャート全体を見て価格が上昇傾向であれば、マウスの左クリックを押しながら、ローソク足の安値の終値同士を結んで線を引き、終点で左クリックを離します。

上昇トレンドラインを引いた例
上昇トレンドラインを引いた例

この安値と安値を結んだ線は、上昇トレンドラインで、価格が下落し上昇トレンドラインに接触するタイミングで、価格が反発して上昇する傾向があります。

反対にチャート全体を見て価格が下落傾向であれば、マウスの左クリックを押しながら、ローソク足の高値の終値同士を結んで線を引き、終点で左クリックを離します。

下降トレンドラインを引いた例
下降トレンドラインを引いた例

この高値と高値を結んだ線は、下降トレンドラインで、価格が上昇し下降トレンドラインに接触するタイミングで、価格が反落して下落する傾向があります。

以上のように、マウス操作で簡単にチャートにトレンドラインを表示できます。

トレンドラインをダブルクリックすると、移動や長さの調整が可能になります。また、トレンドラインが選択されている状態で右クリックすると、削除ができ、プロパティからは色や線の太さの変更も行えます。

スマホ版MT4/MT5アプリでトレンドラインを表示する手順

手順
オブジェクトアイコンをタップ

チャート画面上のオブジェクトアイコン(△○□が重なったアイコン)をタップします。

iPhone版MT4/MT5のチャート画面上のオブジェクトアイコン
iPhone版MT4/MT5のチャート画面上のオブジェクトアイコン
手順
オブジェクト追加をタップする

オブジェクト追加をタップします。または、直接/アイコンを選んでもOKです。

iPhone版MT4/MT5のオブジェクト追加をタップ
iPhone版MT4/MT5のオブジェクト追加をタップ
手順
/トレンドラインを選択

/トレンドラインを選択します。

iPhone版MT4/MT5のトレンドラインを選択
iPhone版MT4/MT5のトレンドラインを選択
手順
タッチしながらトレンドラインを引く

チャート画面に戻るので、表示したい位置でタッチしながらラインを合わせて引きます。

タッチしながらトレンドラインを引く
iPhone版MT4/MT5のチャート画面でタッチしながらトレンドラインを引く

以上の操作で、スマホ版のMT4/MT5アプリにもトレンドラインが簡単に引けます。

トレンドラインの両端の丸印を押しながら移動することでトレンドラインを伸ばせます。トレンドラインを長押しして「削除」をタップすると削除可能です。

正しいトレンドラインの引き方

陽線/陰線の終値を基準としたラインの引き方

ローソク足の見方
ローソク足の見方

終値は、チャート時間足の最後に成立した価格であり、市場参加者の合意が最も反映されたポイントとされます。そのため、高値や安値(ヒゲ)よりも信頼性が高く、テクニカル分析では多くのインジケーターも終値を基準に計算されます。

ヒゲ(高値/安値)を基準にラインを引くと、一見すると価格がラインに「届いている」ように見える場合がありますが、実際の相場では「終値での反発やブレイク」が重視される傾向があります。

そのため、陽線と陰線の終値ベースでトレンドラインを引いたほうが、より実践的な売買判断がしやすくなるのです。

トレンドラインは終値と高値で位置が異なる
トレンドラインは終値と高値で位置が異なる
編集部スタッフ

ヒゲで引いたラインと終値で引いたライン、けっこう位置がズレますね…?

監修者 佐山(FP)

はい、だから終値で引いた方が、価格が本当に反応しているポイントを見極めやすいんです。

また、終値を正確に視認するのが難しい場合は、チャート表示を「ローソク足」から「ラインチャート(終値のみを繋いだ線)」に切り替えると、トレンドラインを引く位置がより明確になります。

ラインチャートは特に初心者の方にとって視認性が高く、トレンドラインを正しく引く練習にも最適です。

ラインチャートにするとトレンドラインが引きやすくなる
ラインチャートにするとトレンドラインが引きやすくなる

そのときの相場や市場によっては、ヒゲに対して何度も反応しているケースもあり、「必ず終値基準でなければいけない」というわけではありません。場面によって使い分ける視点も加えると、より実践的です。

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値動きが斜めN字の波形になったトレンドライン

チャートが斜めのNの形になると強い抵抗線や支持線になる
チャートが斜めのNの形になると強い抵抗線や支持線になる

トレンドラインと価格の動きが斜めの「N」字型を繰り返すような波形を描くと、ラインが意識されやすく、反発・反落が起こりやすい傾向があります。

この「N字」波形は、価格が一定のリズムで上昇と下降を繰り返している状態を表しており、トレンドが継続しているサインと見ることができます。

また、N字の上下の値幅が大きい場合はボラティリティが高い状態、逆に狭い場合はボラティリティが低いと判断されます。

こうした規則的な波形が続く相場では、トレンドラインがより強く意識され、エントリーや決済の判断に役立ちます。

トレンドラインを活用した取引戦略

上昇トレンドの押し目買い

上昇トレンド中は、価格がトレンドラインに沿って推移し、ラインに接近したタイミングで反発する傾向があります。

このような動きは「押し目(おしめ)」と呼ばれ、上昇トレンドの中で一時的に価格が下落した後、再び上昇に転じる場面を意味します。

上場トレンドの押し目買い例
上場トレンドの押し目買い例

上記のチャート画像では、赤色のトレンドラインに価格が何度も接触し、その都度反発して再上昇しています。このような箇所では、トレンドラインに近づいたタイミングで「押し目買い」を狙う戦略が有効です。

押し目買いのメリットは、トレンド方向に沿ったエントリーができるため、リスクを抑えつつ高いリワードが期待できる点にあります。

押し目買いとは?

上昇トレンドの中で一時的に価格が下がったタイミングを利用し、再上昇のタイミングで「買い」エントリーを狙う戦略です。

下落トレンドの戻り売り

下落トレンド中は、価格がトレンドラインの下側で推移し、ラインに近づいたタイミングで再び反落することが多くなります。

このような価格の一時的な上昇(戻り)を利用して売りを仕掛ける戦略を「戻り売り」と呼びます。

下降トレンドの戻り売り例
下降トレンドの戻り売り例

上記のチャート画像では、下降トレンドラインに価格が数回接近し、その都度反落しています。このような箇所では、トレンドラインに到達したタイミングで「戻り売り」エントリーを検討することで、トレンドに逆らわないリスクの低い取引が可能になります。

戻り売りとは?

下落トレンド中に一時的に価格が上がった場面で「売り」エントリーを狙う手法。トレンド方向と同じ方向にポジションを取るため、成功率が高まりやすくなります。

編集部スタッフ

押し目買いや戻り売りって、トレンドが変わるんじゃないかと不安になるんですよね…。

監修者 佐山(FP)

大きな時間足でもトレンドを確認してみて判断するのも一つの手法ですよ。

決済のタイミングはチャネルライン(平行線)で判断する

利益を確保するための「決済のタイミング」は、エントリー以上に重要です。そこで有効に活用できるのが「チャネルライン(平行ライン)」です。

チャネルラインとは、上昇または下降トレンドに沿って引いたトレンドラインに対し、価格の波動の上下幅を参考にして平行に描いた補助ラインのことを指します。このラインは、利益確定(利食い)やトレンド継続の判断材料として非常に有効です。

チャネルラインのアイコン
チャネルラインのアイコン

チャネルラインは、MT4/MT5画面上のツールバーに表示されたチャネルラインアイコンをクリックし、トレンドラインを引くのと同様に、チャート上の高値/安値の終値同士に合わせてドラッグすると、自動的に平行ラインが引けます。

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チャネルラインを使った決済の基本

チャネルラインは、価格がトレンドラインに沿って推移している間に「利確の目安」となるポイントを可視化してくれます。

例えば上昇トレンドであれば、下側のトレンドラインを基準に押し目買いを行い、上側の平行ラインに到達したタイミングで決済を検討します。

平行ラインを利用した取引例
平行ラインを利用した取引例

上記のチャート画像では、「BUY」マークで示された箇所で買いエントリーし、平行ラインに価格が達したポイント(青丸)で利益確定を行っていることが分かります。

このように、事前に出口の目安を持っておくことで、感情に左右されないトレードが可能になります。

チャネルラインの活用で得られる効果
  • 利益目標(利確ライン)を事前に決められる
  • トレンドの強さを把握しやすくなる
  • トレードのルール化に役立つ(感情的な判断を避けられる)

トレンド中は値幅のリズムに注目

トレンドが明確に出ている場面では、価格が一定のリズムで上下に動くことがあり、「値幅」がほぼ等しくなるケースがよく見られます。

この現象は、**下降トレンドなら「下げ幅」、上昇トレンドなら「上げ幅」**が、一定の距離感で繰り返されるというものです。これをチャート上で確認することで、相場のリズムや勢いを視覚的に捉えることが可能になります。

水平ラインで「価格のリズム」を視覚化

価格の下げ幅や上げ幅がほぼ等しくなる例
価格の下げ幅や上げ幅がほぼ等しくなる例

上記チャート画像では、下降トレンドの中で2回続けて下げ幅がほぼ同じであることがわかります。このようなパターンでは、過去の下げ幅を参考にして「次に価格が止まりそうなポイント」を予測し、そこに水平ラインを引いておくことで、下げ止まりのタイミングを事前に意識できるようになります。

この水平方向の距離感を使えば、以下のようなトレード判断に役立ちます:

  • 下げ幅の繰り返しが確認できた場合、その先で**利確ポイント(利益確定)**として利用
  • 同じ幅の反発を想定して、逆張りで買いエントリーを検討
  • レンジ化への移行や、トレンドの勢いが弱まる兆候として活用

実践例:リズムを活かした戦略

  1. 過去2回の下落で、下げ幅が明確に一致していた場合
  2. その幅をプロジェクション(平行移動)して、3回目の価格目標を予測
  3. その水準に到達したら、売りポジションの決済や買いでの逆張りエントリーを検討
価格の上げ幅や下げ幅を利用した取引例
価格の上げ幅や下げ幅を利用した取引例

上記のチャート画像では、売りポジションを保有していた場合、等しい下げ幅のラインに到達したところで「決済」、またはリスクを抑えた「逆張り買い」の判断が取れる状況です。

編集部スタッフ

毎回きれいに同じ幅になるわけじゃないですよね?

監修者 佐山(FP)

そうですね。目安として使いつつ、他の時間足やインジケーターも併せて確認するのが安心です。

注意点と補足
  • 値幅が“完全に同じ”になるわけではなく、「おおよその目安」として活用するのがポイントです。
  • ボラティリティが変化した際には、この値幅も変化する可能性があるため、常に直近の値動きとの比較が必要です。

トレンド転換の取引戦略

相場が一方向に進み続けることは稀であり、どこかで必ず“トレンド転換”が発生します。

このトレンド転換をいち早く捉えることができれば、新しいトレンドのスタート地点でエントリーできるため、より大きな利益を狙う好機となります。

トレンドラインのブレイクが転換のサイン

トレンドラインを上抜けてトレンド転換したチャート例
トレンドラインを上抜けてトレンド転換したチャート例

上記チャート画像*1のように、価格が下降トレンドラインを明確に上抜けた場合は、トレンド転換の兆候と考えられます。これは、売り勢力が弱まり、買い勢力が強まりつつある状況を示しています。

このようなポイントでは、売りポジションを決済する/新たに買いポジションを建てるといった判断が有効です。

特にローソク足の実体がラインを超えて確定した場合や、直近高値を更新した場合は、転換の信頼性が高まります。

複数のラインでトレンド転換を判断

トレンドラインのブレイクだけで「転換」と判断するのは危険です。

なぜなら、「ダマシ(フェイクブレイク)」と呼ばれる一時的なライン超えが頻繁に起きるためです。

そのため、以下のように複数のライン(複合的な視点)で判断することも戦略の一つとなります。

チャート上に表示する3つのライン

複数のラインを組み合わせた取引例
複数のラインを組み合わせた取引例

上記チャート画像*2では、以下の3本のラインを組み合わせています:

  1. 下降トレンドライン(過去の流れを把握する)
  2. 水平ライン(過去の支持線・抵抗線)
  3. 上昇トレンドライン(新しい流れの兆候を示す)

これらのラインが「交差」または「近接」するエリアは、相場の転換点となりやすく、決済・損切り・新規エントリーの判断基準として活用できます。

具体的な取引戦略例

  1. 売り注文を避ける判断:上昇トレンドラインが形成された時点で、下降トレンドの終息を疑う。
  2. 3本のラインが交差する位置での決済:売りポジションを持っている場合は、このタイミングで利益確定または損切りの判断を行う。
  3. 逆張り買いエントリー:上昇トレンドラインが機能し始めた場合、買い方向へのエントリーを検討。
編集部スタッフ

トレンド転換したと思って順張りしたら、逆行して損切り…ってことが多いんです…。

監修者 佐山(FP)

よくある失敗例です。だからこそ、複数ラインの確認が大切なんですよ。

トレンドラインの役割が「支持線→抵抗線」へと変化する時の見極め方

トレンドラインは、相場の動きに応じて「支持線(サポート)」や「抵抗線(レジスタンス)」として機能しますが、これらの役割が“入れ替わる”瞬間は、トレンドの終息や転換を示す重要なサインです。

支持線から抵抗線へと変化するメカニズム

支持線と抵抗線が入れ替わる例
支持線と抵抗線が入れ替わる例

上記チャート画像では、価格が黄緑色の上昇トレンドラインに沿って上昇し、複数回反発(赤丸)していることから、このラインが「支持線」として機能していたことがわかります。

しかし、やがて価格がこのラインを明確に下抜けた後、ラインが今度は「抵抗線」として機能し、価格が再びラインに触れたタイミングで反落(青丸)しています。

これは、**“ロールリバーサル(支持と抵抗の反転)”**と呼ばれるテクニカル現象であり、トレンドの終了や転換のシグナルとして広く活用されています。

この現象を取引にどう活かすか?

支持線と抵抗線が入れ替わる場面では、以下のような戦略判断が重要です:

  • 買いポジションを持っている場合
    • ラインを下抜けた時点で一部または全体の決済
    • ラインを再び試して反落した場合は損切りの判断
    • 明確な下落サインが出た場合は途転(ドテン)売りも検討
  • 新規エントリーを考える場合
    • 上昇トレンドの終了を確認後、戻り売りのチャンスを狙う
    • サポート→レジスタンスへの切り替えを根拠にレジスタンスとして機能することを確認してから売りエントリー

トレンド転換後に取るべき取引戦略とは?

トレンドの転換が確認されたあと、市場の動きは大きく3つのパターンに分かれます。

  1. 新たなトレンドが発生する(上昇または下降)
  2. 一時的にレンジ相場に移行する
  3. 転換のように見えて、元のトレンドが継続する(ダマシ)

これらのどれに該当するのかを見極めることが、その後のトレード判断を大きく左右する重要なポイントです。

テクニカル指標を組み合わせて見極める

複数のラインからトレンド転換後の売買を判断する例
複数のラインからトレンド転換後の売買を判断する例*3

上記チャート画像*3には、以下の重要な要素が重ねて表示されています:

  • 上昇・下降トレンドライン
  • 水平ライン(上値抵抗線・下値支持線)
  • 移動平均線(20EMA/75EMA)

これらを組み合わせることで、「トレンドの転換点」から「その後の相場の流れ」をより明確に把握することが可能になります。

実例:トレンド転換→レンジ→ブレイクの流れ

チャート画像*3では、下降トレンドラインを明確に上抜けたあと、しばらくの間レンジ相場(ボックス相場)が続いています。

レンジ相場の後、上値抵抗線(水平ライン)を突破したタイミングで上昇トレンドに移行していることが分かります。

このような動きが出た場合の具体的な戦略は以下のとおりです:

  • レンジ期間中
    • 下値支持線での買い/上値抵抗線での売り
    • 保有ポジションの決済ラインとしても活用可能
  • ブレイク発生時
    • ブレイク方向に順張りエントリー
    • → 上昇ブレイクなら買い、下降ブレイクなら売りを狙う
  • EMAの傾きとクロスを活用
    • 20EMAが75EMAを上抜けた場合、短期的な上昇の勢いを確認
    • 移動平均線がローソク足の下でサポートする形になると、買いエントリーの後押しに

レンジ相場においては、下値支持線での買いや決済、上値抵抗線での売りや決済が考慮され、水平ラインを抜けた後はその方向に順張りの注文を入れるという取引戦略が有効です。

編集部スタッフ

EMAって何ですか?

監修者 佐山(FP)

指数加重移動平均線(Exponential Moving Average)のことです。
でもEMAにこだわらず、短期と中期の期間の移動平均線を表示していれば問題ないですよ。

こちらの記事も参考になります

トレンド転換後の重要な視点

  • 移動平均線が収束から拡散に変わるタイミング
  • 水平ラインの突破有無
  • トレンドラインのブレイク後の“戻り”の有無(リターンムーブ)

これらを総合的に確認することで、**「転換後にどの相場パターンへ移行しそうか」**を判断しやすくなります。

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MT4/MT5でトレンドラインを活用する方法のまとめ

MT4やMT5では、視覚的かつ直感的にトレンドラインを描画できるツールが標準搭載されており、チャート分析において非常に重宝されます。ここでは、トレンドラインを効果的に使うための要点をまとめました。

  • トレンドラインの基本操作
    • **ツールバーの「/(斜線)アイコン」**から、チャート上にトレンドラインを描画できます。
    • ローソク足の終値(実体)を起点に、高値または安値同士を結ぶことで、より信頼性の高いラインが引けます。
    • スマホ版でも「オブジェクト → トレンドライン」で同様の操作が可能です。
  • トレンドラインの主な役割
    • 上昇トレンド中:下値を支える「支持線」として機能
    • 下降トレンド中:上値を抑える「抵抗線」として機能
    • ラインが価格に何度も反応している場合:市場参加者が意識しているラインと判断され、反発・反落の根拠となりやすい
  • 知っておくべき重要な判断ポイント
    • トレンドが発生している局面では、価格の上昇幅や下降幅が一定になる傾向があります。
      • → この“値幅のリズム”を測ることで、利確やエントリーポイントの目安が得られます。
    • 価格がトレンドラインを明確にブレイクした場合は、トレンド転換の可能性が高まります。
      • → ただし、「ダマシ(フェイクブレイク)」もあるため、ローソク足の実体がラインを抜けること/戻り(リターンムーブ)を待つなど、慎重な確認が必要です。
    • トレンドラインの役割が「支持線→抵抗線」「抵抗線→支持線」と入れ替わる場面では、相場の方向性が変わりつつある可能性があります。
  • 総合的な判断がカギ:インジケーターの併用を
    • 水平ライン(上値抵抗線/下値支持線)
    • 移動平均線(例:20EMA、75EMA)
    • ボリンジャーバンドやMACD、RSIなどの補助指標
  • リスク管理も忘れずに
    • 想定していたラインや水準を価格が大きく超えた場合は、「相場の流れが変わった」と判断し、早めの損切り判断が重要です。
    • トレードで最も大切なのは「損小利大」。トレンドラインも万能ではないため、リスクをコントロールする姿勢が勝ち残る鍵になります。
編集部スタッフ

今までは“線を引くだけ”って思ってたんですが、見方でこんなに変わるんですね。

監修者 佐山(FP)

トレンドラインは“相場の記憶”みたいなもの。意識されやすい場所では多くのヒントを得られますよ。

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著者/監修者

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大学時代に金融工学を専攻し、学術的な理論を深く理解しているため、FX取引に関する実務的かつ専門的な視点から記事監修を行っています。

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