RSI(Relative Strength Index:相対力指数)は、1978年にアメリカのテクニカルアナリスト、J.W.ワイルダーによって開発された指標で、0%から100%の間で評価されます。
RSIは、70%を超えると「買われ過ぎ」、30%未満で「売られ過ぎ」と判断されます。
チャートにRSIを表示することにより、特定期間の価格が割高か割安かを把握し、それに基づいて売買の判断を下すことができます。
この記事では、RSIの解釈と効果的な活用方法に焦点を当てて画像付きで分かりやすく解説しています。
MT4/MT5でRSIを表示する
パソコン用MT4/MT5でRSIを表示する手順
MT4 / MT5画面左側の「ナビゲーター」枠から「インディケータ → オシレーター → Relative Strength Index」を選択し、適用させたいチャートにドラッグ・アンド・ドロップ(左クリックを押しながら移動して左クリックを離す操作)します。
RSIの設定画面が表示されます。RSIは標準設定のまま使用することができます。もし、変更する場合は「期間」「スタイル」の2箇所のみ変更します
「レベル(表示)」タブにおいては、30と70のレベルにご希望の色を設定することで、RSIが見やすくなります。
以上の操作で、チャートにRSIを表示することが完了です。
スマホ用MT4/MT5アプリでRSIを表示する手順
チャート画面上に表示されている「f」アイコン(インジケーターアイコン)をタッチします。
「メインウィンドウ(メインチャート)」をタッチして、「Relative Strength Index」をタッチします。
RSIの設定画面が表示されます。特定の目的がない場合はそのまま使用できるので、「完了(保存)」ボタンをタッチします。
レベルの設定をすることで、チャートのサブウィンドウに表示されるRSIに、設定した数値にラインを引くことができます。
以上の操作で、スマートフォン対応MT4/MT5でも、RSIをチャートへ表示できます。
RSIを活用した取引戦略
RSIを用いた取引では、以下の3つの主要なRSIの動きから派生するシグナルが存在します。
- RSIの数値に基づくシグナル:RSIが30以下の場合は売られ過ぎ、70以上の場合は買われ過ぎと評価されます。
- ダイバージェンスによるトレンド転換の兆し:RSIが株価の動きと逆の方向に動く場合、トレンドの転換が起こる可能性があります。
- RSIのトレンド方向とトレンドライン活用:RSIが高値を更新する場合や安値を更新する場合には、その方向性が価格トレンドを示唆します。
これらの要素を理解し、適切に活用することで、効果的な取引戦略を構築することが可能です。
1. RSIの数値に基づくシグナル
RSIの数値が30%以下の場合は売られすぎとみなし、これを買いのタイミングと判断します。また、70%以上の場合は買われすぎと判断し、売りのタイミングとします。
例えば、下記のチャート例において、RSIが30%のポイント(青丸)で買い注文を入れ、70%のポイント(赤丸)で売り注文を行うことができます。
RSIが30%以下になった場合、買われすぎと判断され、買い注文を検討します。
RSIが70%以上になった場合、売られすぎと判断され、売り注文を検討します。
ただし、RSIはレンジ相場での動きに対しては有効ですが、強いトレンドが存在する市場では判断が難しいというデメリットもあります。
2. ダイバージェンスによるトレンド転換の兆し
ダイバージェンスは、価格のトレンドとRSIなどのオシレーター系テクニカル指標が逆行する現象を指します。具体的には、RSIが上昇している間に価格が下落するケースや、RSIが下落している間に価格が上昇するケースがこれに該当します。
- 価格が高値を更新している上昇トレンド中に、テクニカル指標が下降トレンドを示す。
- 価格が安値を更新している下降トレンド中に、テクニカル指標が上昇トレンドを示す。
このような状況では、トレンド終焉のサインと見なされ、価格の反転が予想されます。
上記チャート例のように、上昇トレンド中にRSIの指標が徐々に切り下がり下落していれば、価格も下降トレンドへの転換のサインです。上記チャート例でも、2本目の赤い縦線以降の価格は下落しています。
価格が安値を更新している下降トレンド中に、RSI指標が高値を切り上げて上昇している場合、上昇トレンド転換のサインとなり、買い注文を検討します。
価格が高値を更新している上昇トレンド中に、RSI指標が高値を切り下げて下落している場合、下降トレンド転換のサインとなり、売り注文を検討します。
ダイバージェンスは一定の条件下でのみ発生するため、取引機会は限られますが、適切に対応することで高い利益を得る機会があります。
3. RSIのトレンド方向とトレンドライン活用
RSIはトレンドラインを使用して売買判断を行う手法もあります。
トレンドラインを引くことにより、RSIが上昇や下降トレンドに沿って動いているかを確認でき、市場の抵抗線や支持線としても活用することができます。
- 価格が高値を切り上げている場合、上昇トレンドと判断し、トレンドラインにRSIが反発したタイミングで買い注文を検討します。
- RSIが下降トレンドラインを上へ突き抜けた場合は、上昇トレンド転換のサインとなり、買い注文を検討します。
- 価格が安値を切り下げている場合、下降トレンドと判断し、トレンドラインにRSIが反落したタイミングで売り注文を検討します。
- RSIが上昇トレンドラインを下へ突き抜けた場合は、下降トレンド転換のサインとなり、売り注文を検討します。
RSIのデメリットと対策
RSIはレンジ相場、つまり価格が一定範囲内で変動する相場で効果を発揮します。
しかし、一方向に強いトレンドが形成される相場では、RSIが70%以上や30%以下に留まることがあり、その結果、売買シグナルの判断が困難になるデメリットが生じます。
上記のチャート例のように、トレンドが継続する相場において、RSIのみで売買判断を下すことはリスクが伴います。そのため、トレンドを示す指標である「移動平均線 」や「エンベロープ 」と組み合わせて使用することが推奨されます。
上記チャート例は、RSIとトレンドライン、25EMA・75EMA・200EMA、エンベロープを表示したチャート例です。
全体的な市場のトレンドをより明確に把握し、RSIが30%に達した際でも、他の指標が下降トレンドを示している場合は、買い注文を控えて様子見する判断が可能になります。
このように複数の指標を組み合わせることで、RSIのデメリットを補い、より精確なトレード戦略を立てることができます。
MT4/MT5でRSIを活用する方法のまとめ
- RSI開発者によると、期間14で日足で使用することが推奨
- 3つのシグナルを活用
- 1. RSIの数値に基づくシグナル: RSI30以下は売られすぎ、RSI70以上は買われすぎ
- 2. ダイバージェンスによるトレンド転換の兆し: RSIが価格と異なる方向へ動くときは、トレンド転換の可能性
- 3. RSIのトレンド方向とトレンドライン活用: RSIのトレンドの方向性により価格の相場トレンドも示す
- RSIは、一方向にトレンドが続くと精度が弱くなるデメリットがあるので、トレンド系の指標と組み合わせて使用する