MT4/MT5のスリッページ許容値を調整する手順|FX取引の約定を最適化

FX取引では、注文価格と実際の約定価格にズレが生じることがあり、これをスリッページと呼びます。特に、経済指標発表時や流動性が低い時間帯ではスリッページが発生しやすく、想定外の価格で約定してしまうリスクがあります。

MT4(MetaTrader 4)やMT5(MetaTrader 5)では、スリッページの許容値を設定することで、約定価格のズレを最小限に抑えることが可能です。適切なスリッページ許容値を設定することで、相場急変時でも過度な価格変動による影響を回避し、安定した取引が行えます。

スリッページの許容値は、MT4/MT5の「ツール」→「オプション」→「取引」タブから設定できます。ただし、この機能はパソコン版MT4/MT5のみで、スマートフォン版のMT4/MT5アプリでは設定できません。

許容値をゼロにすると、スリッページなしの厳格な約定を求めることになりますが、その分、約定拒否のリスクが高まるため注意が必要です。

当記事では、スリッページの仕組みや許容値を設定するメリット、適切な設定値の考え方、そしてMT4/MT5でスリッページの許容値を設定する具体的な手順を詳しく解説します。

海外FX歴15年以上の専門ライターが、実際の取引経験をもとに記事を執筆しています。さらに、FX歴15年・株式取引歴20年以上の投資経験を持つFP資格・証券外務員資格保有者の佐山翔太が監修し、分かりやすく丁寧なサポートを心がけています。

目次

スリッページとは?

スリッページ(Slippage)とは、注文時に指定した価格と、実際に約定する価格の差のことを指します。

例えば、以下のようなケースがスリッページの発生例です。

  • 注文価格: 1ドル=150.000円で買い注文を出した
  • 実際の約定価格: 150.005円(スリッページ:0.5pips)
スリッページが発生する主な原因
  • 市場の急変動(経済指標発表・要人発言など)
  • 流動性の低い時間帯(早朝やクリスマス・年末年始など)
  • サーバーの処理遅延(ブローカーや取引環境の影響)

このように、注文時の価格と約定価格が異なるのは、市場の流動性や相場の変動スピード などが影響しているためです。

その他、悪質なFX業者の場合、意図的にスリッページを操作して顧客の損失にしようとすることもあります。これは、顧客の損失がFX業者の利益となるような利益相反のDD注文方式のFX業者に疑惑があります。

海外FX業者のXMTradingでは、DD注文方式ではなく、NDD注文方式を採用しており、意図的にスリッページを操作するようなことは一切ありません。

参考記事

スリッページの許容値を設定するメリット

MT4/MT5では、スリッページの許容値を設定することで、許容範囲内の価格でのみ約定させることが可能になります。

メリット1:想定外の価格で約定するリスクを抑えられる

スリッページの許容量の設定をしていないと、市場の流動性は相場の変動スピードの原因により、大きく滑った価格で約定してしまい、損をしてしまう可能性があります。

スリッページ許容値を指定すれば、指定した範囲内でしか注文が成立しないため、思わぬ損失を防げます。

メリット2:相場の急変時でも一定のコントロールができる

指標発表時などの急変動時は、スリッページが大きくなることが多いですが、許容値を設定することで過度なスリッページを防ぎつつ、ある程度の柔軟な約定を可能にすることができます。

スリッページの許容値を設定しないとどうなる?

ケース1:許容値を設定しない場合(デフォルト設定)

スリッページの許容値を設定しない場合、MT4/MT5では基本的に成行注文がその時の市場価格で約定します。そのため、予想外の大きなスリッページが発生し、不利な価格で約定する可能性があります。

ケース2:スリッページをゼロに設定した場合

許容値を「0」にすると、指定した価格と完全に一致しない限り約定しません。
しかし、市場の状況によっては、注文が約定しにくくなる(リクオートが発生する)ため、特に動きが速い相場では注文が通らない可能性があります。

適切なスリッページ設定は?

スキャルピングやデイトレードの場合は 1~2pips程度、スイングトレードでは 3~5pips程度 の設定が一般的です。

MT4/MT5でスリッページの許容値を設定する手順

STEP

ツール→オプションをクリック

MT4/MT5画面上のメニューバーから「ツール」→「オプション」の順にクリックします。

ツール→オプションを選択
ツール→オプションを選択
STEP

取引タブからスリッページの許容値を設定

取引タブから「価格誤差のデフォルト」で「デフォルトを指定」にチェックを入れ、スリッページ許容値を「ポイント」で入力します。

取引タブからスリッページ許容値を設定
取引タブからスリッページ許容値を設定

「pips」と「ポイント」は異なります。ポイントとは、最小価格変動単位のことであり、pipsとは換算が必要です。
例えば、スリッページ許容値を1 pipsに設定したい場合は、10ポイントと入力します。

以上の簡単な設定で、スリッページ許容値をデフォルトで設定できます。

パソコン用MT4/MT5でスリッページの許容値を設定する手順のまとめ

  • スリッページ(Slippage)とは、注文時に指定した価格と、実際に約定する価格の差
  • 市場の急変動や流動性、サーバー処理遅延などの原因でスリッページが発生
  • その他、悪質なFX業者では、意図的にスリッページを発生させて、顧客を損失させてFX業者の利益にさせるようなこともある
  • スリッページ許容値を設定することで、リスクを抑えられる
  • 適切なスリッページ許容値は、1~5 pipsの範囲
  • MT4/MT5のツール→オプション→取引タブから設定可能
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