エンベロープ(Envelopes)は、移動平均線を中心に上下に一定間隔乖離させた線のインジケーターです。

移動平均線からどのくらいの乖離で線を表示させるかは、エンベロープで設定する偏差の比率によって変化してきます。

偏差は、その時の相場のボラティリティ(価格変動率)によって比率が異なるので、チャートの時間足や通貨ペアなどによって毎回設定する必要があります。

この記事では、エンベロープの正しい使い方についてご紹介しています。

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エンベロープの偏差を正しく設定する

エンベロープの偏差は、前述したように相場のボラティリティによって変化してきます。そのため、エンベロープを一度表示したらそのままずっと使えるというわけではなく、取引前にその都度偏差を設定する必要があります。

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エンベロープの上限/下限に価格が接触する地点で偏差を調整する

下記チャートは、「USD/JPY、1時間足、期間14、種別Exponential、偏差0.17%」で設定したエンベロープです。

エンベロープ

エンベロープの上限/下限ラインに価格が接触して反発や反落しているのが見てわかります。つまり、売買の判断がつきやすくなります。

次矢印

続いて下記チャートは、「USD/JPY、1時間足、期間14、種別Exponential、偏差0.50%」と同じチャートに偏差の比率だけ変更したチャートです。

エンベロープ

エンベロープの上限/下限のラインは、価格の高値安値から離れすぎていて、売買の判断ができないのが見てわかります。

このように、エンベロープの上限/下限に価格が接触する地点で偏差を適切に設定しないと、正しい売買の判断ができなくなってしまいます。

チャートの時間足が異なれば偏差の比率も異なる

エンベロープは、ボラティリティ(価格変動率)によって偏差が異なるので、当然表示しているチャートの時間足によっても偏差が異なります。5分足チャートと1時間足チャートなど表示時間によってボラティリティは、全く異なるためです。

下記チャートは、「USD/JPY、1時間足、期間14、種別Exponential、偏差0.17%」で設定したエンベロープです。

エンベロープ

次矢印

下記チャートは、「USD/JPY、日足、期間14、種別Exponential、偏差1.00%」で設定したエンベロープです。

エンベロープ

1時間足で偏差0.17%に対し、日足では偏差1.00%にしないと、エンベロープ上限/下限に価格が接触するようになりません。

このように、エンベロープを正しく設定しようとした場合、表示時間足によって偏差の比率が大きく異なることが上記チャート例から見てわかります。

通貨ペアが異なれば偏差の比率も異なる

当然ですが、通貨ペアによってもボラティリティは異なるので、一つエンベロープを設定したからといって他の通貨でも同じ設定で使えるわけではありません。

下記チャートは、「USD/JPY、1時間足、期間14、種別Exponential、偏差0.17%」で設定したエンベロープです。

エンベロープ

次矢印

下記チャートは、「AUD/USD、1時間足、期間14、種別Exponential、偏差0.27%」で設定したエンベロープです。

エンベロープ

USD/JPYの1時間足チャートで偏差0.17だったのに対し、AUD/USDの1時間足チャートでは偏差0.27と0.1の差があります。

このように、同じ1時間足チャートでも通貨ペアが異なれば偏差の比率が異なることが上記チャート例から見てわかります。

その他、エンベロープの期間や移動平均線の種別については、下記リンク先の記事でご紹介しています。

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新規注文と利確・損切りラインのルールを守る

正しいエンベロープを表示できても、損切りや利確のルールを守らないと利益は増えていきません。

エンベロープは、移動平均線からある程度乖離すると、再度移動平均線へ回帰する(戻ってくる)という考えから用いられるテクニカル分析です。

トレンドがハッキリしない相場の場合

トレンドがハッキリしない相場にて、エンベロープ上限で売り、エンベロープ下限で買いという逆張りによる新規注文ができます。

決済のタイミングは、反対側の上限/下限に価格が到達した地点でも良いですが、リスクを減らしたい場合は中央値の移動平均線で決済した方が良いでしょう。

エンベロープ

損切りは、新規注文後にポジションとは逆の方向へ動いたら損切りというルールにします。ここで損切りしないとトレンドが発生したときに損失が広がってしまう点は注意です。

トレンド相場の場合

トレンド相場において、エンベロープの中央値から上限/下限に向けて順張りによる新規注文ができます。

決済は、エンベロープの上限/下限に価格が到達したときに行います。

エンベロープ

損切りは、ポジションとは反対方向のエンベロープ上限/下限に価格が到達したら損切りというルールにします。

エンベロープをFX取引で正しく利用する方法まとめ

  • エンベロープは移動平均線から一定の乖離率を表示させた指標
  • 偏差の値はボラティリティによってその都度変更
  • 上限・下限からの逆張り取引
  • 中央値から上限/下限に向けての順張り取引

以上、エンベロープを正しく利用する方法をご紹介しました。

エンベロープを利用するのに面倒くさく感じるかもしれませんが、利益を狙うためにはエンベロープに限らず相場に合った設定変更やインジケーターを選ぶ必要があります。

偏差の変更だけ気をつければ、売買の判断も簡単に利用できるのがエンベロープの利点です。