MacでMT4/MT5が起動しない場合、まずはMacのOSバージョンを確認することが重要です。もし、OSがCatalinaより前のバージョンであれば、「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」→「すべてのアプリケーションを許可」にチェックを入れることで、MT4/MT5を起動できる可能性があります。
しかし、OSがCatalina以降のバージョンの場合、仕様上MT4やMT5は起動しません。これは、Catalina以降のOSでは、2020年2月時点でMac上でWindowsベースのアプリを動作させるWineが対応していないためです。
それでも「MacでMT4やMT5を使いたい!」と考えている場合、この記事の対処法を検討することが可能です。
Mac対応のMT4/MT5が起動しない問題は、WineがWindowsベースのアプリに対応していないことが原因でしたが、こちらは現在、解決されています。現在、XMTrading公式サイトの「プラットフォーム → Mac対応MT4(MT5)」から最新版をインストールすることで、MT4/MT5をMacで起動できます。
また、日本語が文字化けする場合は、「Mac対応MT4で日本語が文字化けするときの解決方法 」の記事を参考に対処できます。
MacでMT4/MT5を使えるようにするための5つの対処方法
現在は、XMTrading公式サイトから最新のMT4/MT5をダウンロードすることで、MacでもMT4/MT5が使えるようになっています。
MacでMT4/MT5を使えるようにするための対処法には、以下の5つがあります。無料でできる方法と有料で行う方法をそれぞれ紹介します。有料の方法は、便利さや安定性の面で優れています。
- 【無料】MacのOSがCatalina未満の場合
- 設定を変更してMT4/MT5を使用可能にする。
- 【有料】Boot CampやParallelsでMacへWindowsをインストール
- Boot CampやParallelsを利用して、MacにWindowsをインストールし、MT4/MT5を動作させる。
- 【有料】VPS(仮想専用サーバー)の利用
- 仮想専用サーバーを使って、リモートでMT4/MT5を操作する。
- 【無料】MT4/MT5ウェブトレーダーの利用
- ブラウザベースでMT4/MT5を使用するウェブトレーダーを活用。
- 【無料】MacOSをダウングレード(非推奨)
- MacのOSをCatalina未満にダウングレードして、互換性を確保する。
方法1. MacのOSがCatalina未満 → 設定でMT4/MT5を使えるようにする【無料】
MacのOSがCatalinaより前の古いバージョンであれば、環境設定から設定すればMT4やMT5が起動できるようになります。
「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」を開く
Macのシステム環境設定を開き、セキュリティとプライバシーの項目をクリックして開きます。
「すべてのアプリケーションを許可」にチェックを入れる
- 鍵アイコンをクリックしてMacのパスワードを入力する
- 「すべてのアプリケーションを許可」にチェックを入れる
以上の簡単な設定でMT4やMT5を起動できるようになります。(※MacのOSがHigh Sierraより前のバージョンの場合)
「すべてのアプリケーションを許可」が表示されない場合
MacのOSがHigh Sierra以降の場合、「すべてのアプリケーションを許可」がセキュリティとプライバシー画面に表示されません。この場合、以下の手順で表示する設定が可能です。
- Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「ターミナル」をクリックします。
- ターミナルが開いたら、次のコマンドを入力し、Enterキーを押します。cssコードをコピーする
sudo spctl --master-disable
- 次に、Macのパスワードを入力し、再度Enterキーを押します。この時、パスワードを入力しても画面には何も表示されませんが、正常に認識されているので問題ありません。
これで、セキュリティとプライバシーの設定で「すべてのアプリケーションを許可」が表示されるようになります。
方法2. Boot CampやParallelsでMacへWindowsをインストール【有料】
Boot CampやParallelsは、MacにWindowsをインストールして仮想マシン環境を構築できるツールです。
Boot Campは、Intel CPU搭載のMacに標準搭載されているユーティリティで、無料で利用可能です。ただし、M1チップ以降のMacではBoot Campを使用できません。そのため、M1チップ以降のMacユーザーは、有料のParallelsを利用する必要があります。
Parallelsを使用する際には、Windowsのライセンスを別途購入する必要があり、コストがかかりますが、MacOSを使用しながらWindowsも動作させることができ、動作も軽快であるという利点があります。
このWindows環境からMT4/MT5をインストールすれば、MacPCでMT4/MT5を利用可能です。
方法3. VPS(仮想専用サーバー)の利用【有料】
VPS(仮想専用サーバー)は、1台のサーバーを仮想的に複数のサーバーに分割して提供するサービスです。
これにより、各ユーザーに専用のゲストOSやメモリ、CPUのリソースが割り当てられ、自身のパソコンにWindowsをインストールせずとも、オンラインでWindowsなどのOSを使用することができます。
VPS契約時にWindows Server OSのプランを選ぶと、追加でWindowsを購入せずにMT4やMT5をインストールして使用可能です。有名なサービスには、FXに特化したVPSとしてお名前.com デスクトップクラウド があります。このサービスは、複雑な設定なしで簡単に利用を開始できる点が魅力です。
お名前.com デスクトップクラウドのもう一つのメリットは、スマホやタブレット端末からもVPSに接続し、PC版のMT4/MT5を使用できる点です。これにより、カスタムインジケーターの利用も可能です。
なお、EA(自動売買機能)を利用する場合は、24時間MT4/MT5を起動しておく必要があるため、VPSの使用が推奨されます。
方法4. MT4/MT5ウェブトレーダーの利用【無料】
MT4/MT5ウェブトレーダーは、ブラウザ上で利用できるウェブ版のMT4/MT5です。
ブラウザで動作するため、OSに依存せずにMT4/MT5を利用でき、Macにインストールする必要がありません。そのため、Mac用MT4で発生する文字化けの問題もなく、快適に使用できます。
ただし、ウェブトレーダーにはいくつかの制約があります。
例えば、チャートの分割機能やカスタムインジケーターの利用ができない点がデメリットです。これらの機能が必要な場合は、他の対処法を検討することをお勧めします。
方法5. MacOSをダウングレード【無料】(非推奨)
MacOSをCatalinaより前のバージョンに戻すことで、MT4/MT5を利用できるようにする方法です。
Catalina以前のバージョンでは、Windowsベースのアプリを動作させるWineが対応しているため、MT4/MT5が正常に動作します。
Catalina以降のOSをインストールする前にTime Machineでバックアップを取っている場合、以前のバージョンに簡単に戻すことが可能です。
ただし、Time Machineでバックアップを取っていない場合は、MacOSを再インストールする必要があります。この方法は手間がかかり、他のアプリやデータにも影響が出る可能性があるため、一般的には推奨されません。
Mac用のMT4/MT5が起動しないときの対処方法のまとめ
まずは、ご自身のMacOSがどのバージョンか確認しましょう。Mac画面の左上にある Apple メニューから「このMacについて」を選択するとバージョンを確認できます。
Catalinaより前のOSであれば、「方法1. MacのOSがCatalina未満 → 設定でMT4/MT5を使えるようにする【無料】」の対処法である、「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」→「全てのアプリケーションを許可」にチェックを入れることでMT4/MT5が起動するようになります。
Catalina以降の最新OSで無料でMT4/MT5を使えるように対処したい場合は、「方法4. MT4/MT5ウェブトレーダーの利用【無料】」「方法5. MacOSをダウングレード【無料】」の方法どちらかお好きな方を選べます。
ブラウザ版のMT4も使いたくない、OSのダウングレードもしたくないのであれば、有料で対処できる「方法2. Boot CampやParallelsでMacへWindowsをインストール【有料】」「方法3. VPS(仮想専用サーバー)の利用【有料】」の方法どちらかを選べます。